| 水夫を見初めたルート | 採集地:フィンランド |
| 「フィンランドの昔話 "スケート競争"」より | |
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リア充大爆発しろシリーズ。
フィンランドの昔話はRule of Threeが大変多く、また、ストーリーに一貫性がない(なんでこうなるんだろう? という展開)が多いので、現代人の私たちが読んでもあまり面白いとは言えないと思います。これはその中でも比較的まともだったストーリーをかなり大胆に改変したもので、あらすじこそオリジナルをなぞっていますが細部はほぼ創作です。 大きな相違点を挙げると、原版では後半部分で水夫は3回失敗して4回目でやっと成功するのですが、この部分を3回目で成功するように変更しました。これは後に「3隻の船をもらう」ところでRule of Threeを成立させているのだと思いますが、話が長くなるので短くしてあります。また、航海に成功してから最後までは淡泊に書かれているので大きく加筆しました。 物語は大きく三章に分かれていて、ヒロインがRule of Threeにのっとって結婚相手を探す一章、水夫が、やはりRule of Threeの末に航海で成功を掴む二章、帰港してからエンディングまでの三章という構成になっています。もう少し詳細を見てみると、前半のRule of Threeはヒロインに対して起きるものですが、後半は主人公(?)に対するものという違いがあります。(船のお金を出したのはヒロインなので、ヒロインに対するものという見方も出来るかもしれませんが)両方とも典型的な枠組みにそっていて、前半ではヒロインと競争する相手が船長→航海士→水夫とグレードダウン(?)していき、後半では船団がだんだん豪華になっていきます。 水夫が巻き込まれる渦はMaelstrom(メイルストラム)だと思うのでルビもその通りにしてありますが、黒い犬についてはよく解りません。Maelstrom自体は北欧圏での強い潮流を指す言葉ですが、その原因が黒い犬という話は読んだことがないように思います。呪いで犬にされていたという点についても、原版でも詳細についての言及がないのでRinglet版でも曖昧なままにしてあります。また、大富豪と言っていいヒロインがわざわざ危険を冒して夫を航海に勧める点についても不明ですが、Ringlet版では一人前の船乗り(船長)として認められることが結婚の条件(=親に認められる)という解釈にしました。 この物語のヒロインはたぐいまれな運動神経(スピードスケートで男性をことごとく打ち負かしているので)、財力、観察眼と粋な性格を併せ持つ、素晴らしい女性だと思います。また、酒の飲み方で結婚相手を見極めるという話もなかなか面白いと思います。お酒の飲み方には人柄が出るので、結婚条件でなくとも重要ですね。 |
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![]() 自分に絶対の自信を持ってるルート。北欧の冬の話なので手袋もしっかり装備。服装も上流階級らしく、色々と凝ってます。(TINA) ふん、という感じの表情。上着はスエード素材という設定なのです。服の模様でお金持ちっぽい感じを出そうとがんばった思い出が。挿絵前半と挿絵後半では季節が違うので服装が異なります。(かずしま) |