| 知恵の王子と美貌の王女 | 採集地:フランス |
| 「眠れる森の美女 完訳ペロー昔話集 "巻き毛のリケ"」より | |
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リア充大爆発しろシリーズ。 文学シリーズ。(※) 原典は有名なシャルル・ペロー(Charles Perrault,1628-1703)の童話集から。 知恵のある者にありがちな、婉曲表現や二重否定といった非常に回りくどい会話が繰り広げられます。はたして子供が読んで面白い(と理解できる)のか悩みましたが、ほぼ原版通りの言い回しを残した他、Ringlet版では二人の会話をさらに追加しました。一方で妹についての描写を削除しています。削除したのは姉が知恵を得た後の部分で、下記のように書かれています。 "こうなると面白くないのは妹の方だった。こうなると、もう知恵に勝るという利点すらなくなってしまい、姉のそばにいると、ひどくみっともない容姿を晒しているだけのようにしか見えなかったからだ。" まあ、妹も姉と同じくらい賢くてお姫様なのですから誰か素敵な人が現れたんじゃないかとは思いますが、(当たり前ですが)作中ではそんなフォローはありません。 ラストシーンで王子がイケメンになった(とされる)ところは、注釈によって「妖精パワーで本当にイケメンになった」派と「好きになったからイケメンに見えるようになった」派に見解が分かれています。なにかと教訓をつけたがる人たちは後者を支持し「好きになった人は全てがよく見える(恋は盲目)」であるとして、前半部分で王女が知恵を身につけたシーンも同じように説明されています。 最高の美貌を持っていた姉がそれに相応しい知性を身につけ、最高の知性を持っていた王子が相応の美貌を得るなんて出来すぎたストーリーは少々妬ましさを覚えるので、教訓のような解釈が生まれるのかもしれません。みんな爆発しろ。 ところで、同じフランスには三姉妹がそれぞれ最高の知恵、美貌、道徳を持った人物として描かれる「美女と野獣」というFairytaleがあり、そこでは定石通り最高の道徳を持った末の妹が幸せな結末を迎えます。その話は「美しさや機知よりも立派な道徳心を持っていることのほうが素晴らしい」と結ばれていて、このストーリーとは違ったまた価値観を示唆しています。 (※)ペローはかなり原版を尊重した作品を書いたとされていますが、一応、書かれたFairytale(=文学シリーズ)に分類しました。 |
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