| ハイリー岬とホップトン山 | 採集地:イギリス(イングランド) |
| 「妖精の国の住人 "リーキン山の由来"」より | |
| 頓知話、または由来譚に分類されるストーリーです。そもそも都市を埋めるほどの土砂を運べるほどの大きさの巨人ならば、普通に街へ来て暴れ回ればいい気がします。(彼は「市長への復讐」と言いながら「街ごと埋めてしまおう」するわけですから)力と知恵を兼ね備えた巨人が多い神話と違って、民話の中の彼らは「大男、総身に知恵が回らず」が基本パターンです。
原文に登場するシュールズベリー(Shrewsbury)はおそらくイングランド中央、シュロップシャーにある街のことだと思います。出会ったのが靴屋でなかったら結末はまったく異なっていたでしょう。原版では巨人は土を捨てて帰っていくだけですが、エルセのために靴を直す話を追加しました。 中世、靴屋は職人の一つで、自分の工房を構え、多数の弟子を抱えている人も珍しくなかったという記録があります。(靴直しは貧しかったという話もありますが)シュールズベリーのような都市に靴屋がなかったとは考えにくく、彼らがわざわざ街から離れた場所に住んでいたのにはなにか理由があるのでしょう。 |
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