レリアと三人の兄弟 採集地:フランス
「フランス民話の世界」p115- 「娘と七人の兄弟」より
 世界的には「七羽のカラス」で有名な話の類話です。グリム版では「十二人の兄弟」が相当します。
 もっとも壮大なものはペンタメローネの第四夜第八話「七羽の鳩」でしょう。 Ringlet版より二周りほど壮大なストーリーなので、別に読む価値があると思います。

 原文では七人兄弟になっていますが多いので三人に削りました。妹に名前はありませんが主人公である彼女が名無しなのもどうかと思うのでレリアと名付けました。彼女の試練の手助けをするのは聖母マリアなのですが、Ringlet版では末の兄に変更しました。後々の展開を考えてもこっちの方が都合がいい気がしますね。あとはちょっと詳細を加筆したくらいで、かなりオリジナルに近いお話に仕上がっています。もう一つ、原版では上の二人の兄は妹のことを「今でも会ったら即殺す」というくらい嫌ってるのですが、そこもマイルドに変更してあります。この辺の話の飛躍が昔話っぽいところですね。

 三つの試練はFairytaleではポピュラーなお題で、その内容も様々なのですが、もっともよくあるのは(それ故にRinglet版では省略されているのですが)「穴の空いたバケツ、あるいはザルで水をすくってこい」というもので、解答は「穴の部分に泥(粘土)や藻を詰めてふさぐ」ことです。

 ゲーム中で主人公は「エプロンに灰をおき、片手で裾を掴みながらもう片手で薪を置くのは不可能」と言っていますが、(エプロンの種類にもよりますが)多少バランス感覚はいるもののわりと楽におけると思います。男性の主人公はエプロンを身につける機会が少なかったのでそう思ったんですね。

 レリアが隠れていたベッドについて。中世において、家族は一つの大きなベッドで眠ることが多かったようです。現代でいうとシングルサイズが人数分用意されているのではなく、ダブルかそれ以上の大きなサイズのベッドにみんなで一つになって眠りました。(白雪姫で、姫が七人の小人のベッドに横になれたのはそういう理由です)ベッド下を収納に使うという現代的常識も、そもそもそんなに収納すべきものがなかった時代の話なので、レリアはエルセと違って十分に隠れるスペースを確保できたことでしょう。


 13歳にしては幼く見えるレリア。最初の打ち合わせということで、時代考証やデザインの意思統一がまだとれていません。袖ボタンなんてなかっただろうし…。よく見ると給食当番みたい。(TINA)

 何もわからず試行錯誤した結果、給食当番になったのです。絵柄がぜんぜん違いますなー。(かずしま)