| 姉弟の日 | 採集地:インド(ラージャスターン) |
| 「インドの民話 "兄弟の日"」より | |
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原版では「兄弟の日」となっており、資料に注釈がついていますので以下に引用しておきます。 この「兄弟の日」の物語はラージャスターン(パキスタンと接するインド北西部)だけでなく、インド北部全域に一般に見られるという。多くの面で姉妹たちは兄弟に頼っていて、兄弟は彼女たちの親の家庭と絆になっている。兄弟は結婚した姉妹に家まで付き添い、兄弟の日のような特別な日には衣装を持っていく。ヒンディー語では「兄弟介添え人」という。一年に二回、ホリー(Holi)祭(クリシュナを祝う春の祭り)の休日に続く2日目と灯明を祭る秋のディヴァーリ(Divali)祭に続く二日目に行われる。この日、結婚した娘たちは兄弟に連れられて里帰りする。出来ない場合はこの物語のように兄弟が贈り物を持って訪ねてくる。 兄弟介添人の儀式と物語は戸外の壁の近くで行われ、牛のフンによる兄弟、姉妹、花嫁、蛇の姿を祭り、同様に煮炊き用の炉がある家の中でも行われる。これらの像は物語を語る前に作られる。供え物を作り、放たれている動物(犬、山羊、鳥など)が食べるに任せる。物語の終わりには、兄弟が現存する出席女性すべてが届く限り高く壁にそって手を挙げ、物語にある呪いだけでなく祝福「彼が長生きしますように!」を繰り返す。この祭式は参加した女性のすべての兄弟が長生きするためのものだと言われている。 日本で言えば、盆と正月の里帰りを制度化したようなイメージが近い気がします。 また、明らかにヒンドゥー教と関連がありそうですが物語中に言及は見られません。 原版はさらに長い物語で、いくつかの要素が入れ子構造的に詰め込まれたように見えます。 Ringlet版では以下のふたつのシーンをカットしてあります。 ・おとなりに料理の仕方を聞きに行く姉のシーン ・黒い蛇を挽き潰した粉で焼いたケーキを持たせるシーン 実は原版では姉の行動が一貫せず、物語の整合性を欠いたような展開になっています。元からちょっと変わった人だったのではないでしょうか。 |
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姉の行動力もすごいんですが、姉のやることならなんでも許すよ! と言う弟の方が実はすごいんじゃないかなと思います。弟嫁もよく我慢したな。(TINA) 弟想いのお姉さんのお話です。 何があっても弟を不幸から守ろうというお姉さんの決意が挿絵から伝わればと思います。(宣教師ゴンドルフ) |
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